ここのところ、台風が続きました。
米農家にとって、この時期の台風は悩みの種です。
稲が最も水を欲しがっている時期の台風は、稲へのダメージもたいへん大きなものになるからです。
もりなが農園では丹念に土づくりを行い、しっかりと根の張った稲を育てているのですが、この時期の台風はやはり気が抜けません。
台風時には、傘をさすのが困難といわれる風速15m/sの風でも、稲の振動速度が大きくなり、茎葉が損傷してしまう恐れがあります。最悪の場合、稲が倒伏してしまうケースもあります。
台風が来た場合、稲に風が当たらないようにしたいのですが、そうもいきません。
対策としては、早めの深水湛水。つまり、田んぼにめいっぱい水を貯めて張っておくのが大事になってきます。
最大限に水を貯めて茎葉を浸水させると、強風にさらされる部分が少なくなり、稲の振動が軽減されます。
この時期は台風の情報をつぶさにチェックし、影響が出そうであれば早めの備えが急務となります。もりなが農園では、台風が来た先週も総出で対策を行い、何とか事なきを得ました。
台風時は稲の蒸発散も活発になり、給水量も多くなります。また、台風直後は雑菌の侵入も多くなるので、病気の発生がないかの確認作業も重要です。
台風の経過後も水田が乾かないよう田んぼの確認作業と灌水を続けながら、収穫が近づく稲を見守ります。